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シンガポール人の2人に1人は自分の会社の経営者が非倫理的な振る舞いに無関心であると感じています。

EYアジア太平洋(APAC)社の2017年の調査によると、不明確で一貫性のない方針のせいで組織から何を期待されているかについて混乱している人が大変多くいることが示されました。

EY社によると、APAC内の5人に2人以上(44%)とシンガポール国内の3分の1(33%)の人が倫理的な経営者の下であれば、低い報酬でも働くことが出来るとしています。EY社によるシンガポール内105名を含む、アジア太平洋14か国の大企業1,698名に対する調査結果に基づいています。

さらに、APACの回答者中85%(シンガポール76%)は勤め先の企業コンプライアンスの方針が簡潔に現地化されてもっとわかりやすい内容になることを望んでいます。現行の方針内容はあまりに長い文章で複雑な言い回しや難解な法律用語が必要以上に使用されていると考えています。

APACの39%(シンガポール40%)は会社の就業規則は従業員の実際の行いについてほとんど影響がないと言います。

「企業は従業員が付いてきてくれるようコンプライアンスの内容を簡潔にする必要があります。コンプライアンスプログラムがどのように活用されているのかについての食い違いや矛盾について他の従業員が不満を抱くことで、有効なコンプライアンスプログラムの取り扱いに大きな障害をもたらし、その結果、不正行為・贈賄行為・組織の腐敗に繋がります。」とEY ASEANリーダーで不正対策・係争サポート担当のRueben Khoo氏は述べました。

APAC内の回答者のうち61%とシンガポール内の回答者のうち80%が社内に内部告発ホットラインがあると回答しています。これにも関わらず、調査結果では、非倫理行為が報告された際に、会社が匿名で救済措置をしてくれるか信用できないことが示されていました。

その一方で、約全回答者の半数に上る人(APAC内49%、シンガポール内42%)は会社の利益目標を達成するために年配の管理職は非倫理的行為を無視すると考えています。ショックなことに、APAC内1,000名中83%、シンガポール内69%の人は、勤め先が不正・賄賂・組織の腐敗の状況に陥った場合、新たに職を探すと述べていました。調査によって1,000名(25〜34歳代)は非倫理的行為とはどんなものかをあまり理解していないことがわかります。

私の生徒で身体的ハンディキャップを持つ学生が、この三学期のコースを卒業しました。彼はいつも講義の日は車椅子に座って聴講していました。彼は体が不自由でしたが、勤勉で、クラスモニターの有志にも一番に立候補し、グループミーティングの招集も一番に参加し、学術論文も一番早く完了するというように、強い意志で大学を修了したのでした。
この若い青年は夢にあふれ、じきに社会へ出ます。就職市場の求人募集をかけて戦う大勢の大卒者の一人になるでしょう。

会社と大学双方とも、募集職種と有能な人材需要との間のミスマッチが起きていると認識しています。一般的に、大卒者は雇用対象者であり能力もありますが、それがかえって職に就くのを難しくしているのです。経営者からのフィードバックにより、基礎教育カリキュラムのK-12プログラム、それは2016年〜2017年度に初めて実施されましたが、その改良が求められることとなりました。この実施により、諸国の基礎教育部門だけでなく、高度教育についても大きな影響がありました。学校の経営者・教授・スタッフは、履修過程の再定義・組織の構造改革・学部の再編・有意義な先進的プログラムの提供が求められます。その過程で教育システム変更に必要なものを認識するため、いくらかの会議用ホール・各学部のワークショップ・異分野学部での話し合いが必須となります。

ASEAN地域では、新たな枠組み作りが始まっており、各国のレベルや適正基準の違いの互換性について話し合いの場が設けられています。ASEAN経済共同体の4つの土台には、ASEAN内部の専門家による助言が含まれています。それは、情報交換と専門家の共通理解を尊重した共同作業で、つまり、受け入れ可能な建物の提供・専門家向けの教育・最高の技能訓練の提供や受け入れを行うことです。ASEANの最終目標は実施分野を同じにすることとしています。

これらの地域履修の組織的イニシアティブと国際基準は、ASEAN地域や世界の他国の仲間との競争を呼びます。良い結果を生み出すために、良品質の指導・制度的資源・政府援助・良品質の教授陣やスタッフが必要です。大学は専門スタッフによる学生サポートを提供し、彼らのキャリア開発を優先した指導をしているでしょうか。学生は単位取得に対し、自分をどのように評価していますか。就職活動または自分自身の成長や発展のためのキャリア形成プランとは一般的にどのような考えのことでしょうか。

”仕事ではなくキャリアを”
これは大学キャリア事務局のスローガンです。我が校の卒業生は正しいキャリア選択をするために情報・構成物・サービスを受けることが可能であることは当然のことです。また自らの選択・応募や、教育・職業・副業に従事する過程においての競争に勝つことができるはずです。

フィリピンの求人状況として、大卒者は制限された中でしか選択できず、募集中の仕事は大学との連携がとれていないというのはよくあることです。この大学だけでなく産業界に対する非常に困難な挑戦について、先月ケソンで開催されたアジアキャリア開発協会の国際会議にて語られました。個別のキャリア支援専門家は、卒業生または既卒者のキャリアに対する要望を満たす革新的で持続可能な戦略を提案することが求められます。大学は在籍者に対し、キャリア指導・カウンセリング・教育・個別開発プログラムをキャンパスで受けられるキャリアサービスとして提供すべきです。その内容としては、実地オリエンテーションのような模擬試験や退職者面接が挙げられます。

学生数の少ない大学は、仕事やキャリアについての事務局を別に設けており、集団説明会の開催や、履歴書作成・応募・筆記試験の指導を行っています。さらに、卒業生はキャリア人生において転勤の有無と同様に、グローバルであるか、無理のない就業時間・シフトであるかについて自分で調べなければならないでしょう。卒業後はさらに多くのことをやらなければならないと予想されますが、大学のその事務局では膨大な情報が更新されています。言うまでもなく、人格形成・価値観や姿勢・キャリア選択の機会に対する家族の役割は大きいです。大人になったらどうなりたいかについてのプラン形成は家庭を起点に始まります。

最近、嬉しいことに東南アジアの国に留学する日本人の大学生を見るようになってきました。しかも、どの学生も現地の言葉を覚えて頑張っています。タイならタイ語、ベトナムならベトナム語、カンボジアならクメール語と。日本人からすると発音が難しかったり、書きにくかったり本当に大変です。

留学をしている大学生の方からすると、この話はスルーしちゃっても良いと思います。生活したことがある人ならわかっているかと思いますので。

大学生の留学が増えているだけでなく、海外就職の希望地がアメリカやヨーロッパ、中国と言った国から東南アジアへと変わってきています。東南アジアはビザの関係で新卒就職は難しい国ですが、第二新卒だけでなく40歳を超えて第2の人生でっていう方まで幅広く転職候補地として挙げられているようです。

そこで表題の件なんですが、第二新卒や40歳を超えてからの第二の人生でっていう人は社会経験があるから、東南アジア全域でサービスを行っているような人材紹介会社キャリアリンクなどに登録してチャンスを待って良いと思います。

先述したように東南アジアでは大学新卒で就職するのはかなり難しいです。東南アジアの多くの国では、現地で就職したり就労したりするには、外国人は必ず労働許可証取得が大前提となります。もし労働許可証を取得せずに就労をしてしまうと罰金やビザの停止(一時的に再入国不可など)など処罰を受けることになります。これは企業はもちろんの事、働いていた人も同じ処罰の対象です。労働許可証の取得に関しては国によって多少違いがありますが、大体は大学卒業資格と就労経験です。ベトナムですと就労経験3年以上となります。
これを聞くと新卒でのベトナム採用は難しい(出来ない)と考えるのが普通です。しかし、方法としていくつかあります。その中の一つがインターンシップを経験するということです。その代わり、半年以上のインターンシップに限ります。
インターンシップを経験していると、その国の生活を理解できるため、新卒で採用されたとしても辞めないだろうと雇う企業が考えます。そうなると、労働許可証の取得条件である就労経験がなくても、重要な人材ということの働きかけをしてくれるため、ビザ取得を出来ることがあります。
ここまでたどり着くにはインターンシップ中に真面目でいる必要がありますが。

技術は私たちの生活に非常に大きな影響を与えてきました。(UberやGrabのような)交通手段やヘルスケアサービス、また(オンライン)銀行取引や(Amazon)ショッピングについて、私たちはその世界をそれぞれに見渡すようになりました。この変化の重要要素は教育です。したがって、次の変化の波は教育部門に来るということは驚くことではありません。

バンコクで開催されたEdtech Asia Summit 2016で、Edtech分野に精通するリーダーたちが、アジアにおけるEdtechの急成長について深い見識を共有しました。2日間に及ぶイベントにはEdtechの法整備の担当者や企業も参加しており、Topica社の創業者及びCEOのTuan Minh Pham博士、Kaizen Private Equity Fund社の Sandeep Aneja氏、またUdemy社・Taamkru社・Quipper社のキーパーソンというような話し手もいました。

このサミットでポイントになったことについて、Pham氏はこう予想しました。

「10年以内に半数の学生がオンライン教育を受けるでしょう。」

彼はさらに付け加えました。「WCETの2016年遠隔教育実施レポートによると、アメリカにいる28パーセントの大学生は少なくとも1つはオンラインコースを受講しており、4,800校のアメリカにある大学の61パーセントの学生は通信制プログラムとして入学しています。

設備不足により、国立大学はオンライン教育を設ける傾向にあります。アジアと比較して、高等教育にとっても利用可能な設備が不足しているところでも、オンライン教育がこれらの解決策として特に途上国で導入されています。ベトナムの場合だけでいうと、100社のEdtech関連企業が革新的なソリューションに取り組んでおり、200万人以上がオンラインラーニングプログラムに入学しました。

追記:Edtechのパラダイムシフト。これを導入するということは授業をVRやARで勉強できるということです。

教育の質に関しては、Pham氏はBabson Survey Research Group社による調査に対しはっきりと述べました。アメリカの学務担当最高責任者の71パーセントはオンライン教育は従来のコースよりも同じかそれ以上の結果を出すと考えられていることがわかります。

より多くのEdtech事業が成熟し、またそれが成長途中であるならば、Aneja氏は自己満足に対して警告を出しました。彼はこのポイントを強調し、「『起業年』の心構えで解決策を得るための創造力と情熱を持てば、持続可能な差別化を生み出すでしょう。このことはエネルギーレベルを高く保ち、才能のある人々を留めておくことを可能にするでしょう。そうすると、会社は活気のあるフレッシュな状態を保てるでしょう。」

Edtech Asiaの主催者で共同創業者且つ総務部長であるMike Michalec氏はこう述べました。「我々はバンコクで初めて開催されるこのイベントのために、ASEAN地域で最も活発で多様性のあるEdtech企業の一つであるTopica Edtech Groupの援助を喜んで行ってきました。当イベントは操業したての企業・投資家・起業家や考え方が関連していたり、様々な市場、地域的Edtechのエコシステム内の傾向やチャンスを理解している、その他キーとなる関係者を支援するという重要な目的を確実に達成しました。

Edtechは確かにここに存在しています。専門家によるパネリストセッションで共有された多くの意見や見識というと、参加者はこのセクターの重要性や、それがどれほどアジア地域で成長のための勢いを与える存在であるかについて間違いないとしています。世界は確かに均一になっているでしょう。知識と情報の仲介や配達をするだけではもはや何も特別なことではありません。

追記:脳を消耗することはありません。なぜTopicaのCEOはEdtechがベトナムの教育の問題に対する答えだと観ているのでしょうか。

おそらく、このPham氏による発言は未来にも残る一番興味深いものです。

「5年後には、今は存在していない知識やスキルが必要な仕事が出てくるでしょう。すぐに知識やスキルなどを学ぶことができる手助けとして、オンライン教育はぴったりです。10年以内にオンライン技術は、学習活動、グローバル学習プラットフォームを繋ぐこと、学習することをもっと効果的にするユビキタスパートとなるでしょう。」

未来経済委員会は今週、シンガポールが世界を一歩リードするためにできることについての報告書を提出する予定です。

生涯学習の習慣は勤務地の変更にともなう「混乱」の助けになるでしょう。

あなたがタクシーの運転手でUberの出現で自分の持ち場を失っていたら。
またはあなたが会社員で新しい同僚がロボットだったら。

これらの考え方はいわゆる科学技術の進歩による「混乱」がもたらす事例で、従来の就労環境を完全に変えることもあり、シンガポールの人々への影響や特に中年以上の年齢層にとって将来への危惧の要因となります。

経済の停滞やリストラの蔓延する中、最近の就労状況としては失業者数が、ここ7年は高い状態が続いています。しかし、シフト制の職業、困難な環境、他国への転勤を必要とする仕事は依然として需要があり、また外国人によってその埋め合わせをしなければならない状況です。

それは、未来経済委員会(CFE)が労働者市場を見て何が今後待ち受けるのかについて確かに理解していたという矛盾のある意見です。

当委員会で取り組まなければならない主な問題は、シンガポールにおける労働力の高齢化であると、人材相のリム・スイセイは指摘してきました。

「国内の低い出生率と高い労働力人口率が見受けられますが、15歳以上の比率は昨年68パーセント、つまりわずかな推移で国内の労働力はゆっくりと増えていることがわかります。」とリム相は昨年の議会で述べました。

高齢者を労働力として活用するために、当該省では今年の7月より雇用年齢を65歳から67歳へ引き上げる予定です。
企業もまたオートメーション化により、彼らの生産性を向上するような対策をしています。しかし、機械化によって雇用が減る恐れもあります。工場・オフィス業務やスキルをあまり必要としない業務・会計サービスなどが機械化を可能にします。

教育相(高等教育・技術担当)オン・イクエン氏はCFEの未来の仕事・技術についての小委員会共同議長でもありますが、昨年のフォーラムでこのように述べました。たくさんの企業の本社をシンガポールに置く「コントロールタワー」経済から、プランを寄せ集めて製品とサービスを世界中へ送り出す「ランウェイ」経済へ移行しなければなりません。

「もはや物事をコントロールしたり、モニタリングしたり、管理するだけの役割はありません。実際に何か物事を始める技術が必要です。実用的で応用の利く技術です。」と同氏は述べました。

労働者がこの仕事の本質の変化にうまくついていけるために、SkillsFuture運動が2年前より始動し、生涯学習訓練の運営を始めました。この取り組みは仕事人生を通して産業界で実際に生かせる機械技術のスキルや一般的なスキルを継続して取り上げて訓練することです。

この取り組みは人々が職探しを始める前にするべきことです。多くの訓練はキャリアガイダンスやインターシップで提供され、また確実に産業界のニーズとなる内容が教育カリキュラムに反映されています。そのため、若者が求人募集のある仕事に対してより敏感になり、その仕事に必要な基礎知識を身に着けています。

このことはまた先月公表された報告書の中で、金融・貿易・産業のための政府国会委員会(GPC)からも前向きな意見がなされました。GPCはまた訓練の提供者の質を確かめる基準として教育の成果を追跡できる国家記録を提案しました。

23業界の産業変遷図解が出版される予定で、業界特有のスキルを掲載してあります。また、専門家の座談会プログラムにより、50件以上の仕事での新たな役割についてのレクチャーを行います。

GPC議長のパトリック・テイ氏は、CFEの報告書が政府・労働組合・経営者が業界変遷図解がとことん追求されるよう確実なプランとして共に取り組む方法を盛り込むよう期待していると述べました。

同氏は「デジタル化や混乱に対して可能な・迅速で・受け入れ可能な状態を保つため、それらをより理解し、その価値を認める」国家プログラムを提案しています。

「これは昔でいう労働者の基本的計算能力と読み書き算のスキルを向上する為の最高で聡明なプログラムと似た主旨の取り組みです。」テイ氏はそう述べました。また同氏は、シンガポール全国労働組合会議の新しい組織である未来の仕事・スキル・訓練を率いています。

再教育について言いますと、労働者が6か月後に全面的に新しいスキルを身に着け、仕事に就く準備ができる状態までになるためには並大抵の努力では成せません。

SIM大学(UniSIM)の労働者エコノミストであるウォルター・ティセイラ氏は雇用機会はこれまでの経験に関連したキャリアの中にもっと見出すことができ、それにより、そのスキルは転用可能であるとしています。

 シンガポールマネージメント大学でHuman Capital Leadership Institute社の幹部であるウォン・スーエン氏曰く、「仕事を増やしたり、新たな職場での経験を積むための勉強をする人々を受け入れる為、従来の仕事に対する準備は変わるはず」とのことです。

 「我々は人々が次に向けて準備を進めると同時に働いていることを認識する必要があります。」と同氏は言いました。

未来のチャンス

経済成長が低迷している中、シンガポールは依然として未来の経済のために事業を生み出しています。

昨年の国内投資は総額940億ドルで、今では20,100件の新規事業が見込まれていると、シガポール経済開発庁は先週発言しました。

成長事業とはIT・遠距離通信・ヘルスケア・航空機産業を含みます。チャンギ空港のターミナル4及び5、また新たなMRT沿線の工事により、国内の工学技術やプロジェクト管理は需要のあるスキルとなるでしょう。

先進の製造業というのは、向こう8年以上、データ科学者・ロボット操作官などの22,000件以上の新事業を作り出すと期待されています。

そしてまた、ソフトウェア開発・コンピューターエンジニア・システムデザイナー・アナリストのような職業について、15,000件もの情報通信技術関連の求人があります。一方で、3,000件の精密工学の事業が2020年までに始まると予想されています。

リクルート会社であるKelly Services Singapore社のマネージングディレクター/カントリーヘッドであるフー・シー・ヤン氏は、同社の契約労働者やフリーランサーにより、予想のつかない経済の見通しの中、柔軟に企業の要望を活かすことができるとしています。

「異なる業界や職業上の枠を越えた範囲で業務を行う労働者は、技術的なバックグラウンドによってこれらの状況に対応するものです。」と同氏。

リー・シェンロン首相もまたナショナルデーの集会でのスピーチでこう述べました。昨年、CFEは革新的なアイデアで事業を開始する企業家をサポートする構造について取り組んでいました。

UniSIMのティセイラ博士は企業家精神は経済発展のためにはとても重要な要素でありつづけるでしょうが、その事業が成長するために、「我々は世界レベルで競争力のある大規模なビジネスを築ける起業家が必要となります。」と述べました。多くの起業家は巨大なASEANマーケットにおけるシンガポールの存在を活かせていません。同氏は締めくくりました。

2017年は東南アジア諸国連合(ASEAN)50周年記念の年です。実に多くの祝福すべきことがあります。しかし、大事なことは50周年はASEAN諸国の未来とその先に待ち受けるものが何であるかについて考える節目の年でもあるということです。

5月にプノンペンで開催予定の世界経済フォーラムASEANサミットがまさにそのことを反映した内容となるでしょう。

サミットのテーマは「若者、技術、成長 -ASEANのデジタルと人口ボーナスの確保」で、それぞれASEAN地域の未来への重要な問いかけを含んでいます。

経済成長はエンジンのようなもので賃金と繁栄を促すために非常に重要であります。年間約5パーセントの成長率や莫大な規模で中流層を構築したパワーのように、ASEAN諸国は近年素晴らしい実績を見せています。2016年はASEAN10か国が団結し、世界で7番目の経済規模を示しました。2017年までにその順位は6位まで上昇し、2020年までに5位まで上り詰めるでしょう。

しかし、これと同じくらい印象的なのが、ASEANが非常に速いスピードで成長してきて今もなおそうであるということです。実際のところ、7パーセントの成長を目指しています。5パーセントと7パーセントではその差は小さいように見えますが、人々の懐の深くまで影響力を感じることとなるでしょう。5パーセントの成長で、ASEANは15年で賃金が2倍に、7パーセントだと10年で2倍に増えます。7パーセントの成長を達成する為に、ASEAN諸国はインフラ整備や教育など各国の国内の問題に焦点をあてて取り組まなければなりません。

そこでは国の規模も重要となります。各国がASEAN経済共同体(AEC)の取り組みを後押しをすることで著しく利益を得ることになるでしょう。AECが新たな単体市場になり、モノの動きを統合するという約束を果たす前段階のままのものが多いからです。AECが真に実現しないまま、現地のビジネスの規模拡大や、グローバル競争力を獲得するために奮闘するでしょう。そしてその結果、消費者は製品やサービスに対してさらにお金を注ぎ込むことになります。中国・インドは巨大な国内市場により利益を上げ続けるでしょう。

成長度合いが成長の質であることは危機的な状況です。悲しいことに、多くのASEAN諸国内で不均衡状態が顕著になっています。全ての国が平等に利益を得るのではありません。世界経済フォーラムの包括的成長・開発レポートが今年の1月に発表されましたが、それは政府がもっと公平な成果を保証するために用意した政策手段を綿密に見ていることがわかります。その答えは税の再分配の下に進めればうまくいくということです。実際のところ、再分配は本当に最後の手段として実行すべきでしょう。

若者はASEAN諸国にとって第2の大事な要素です。依然として、ASEANには6億3,000万人の若者がいます。(シンガポールやタイは高齢化がすでに進んでおり、全加盟国が該当するわけではありません。)
若者や人口増加により、国の経済発展推移・強力な人口ボーナスの保証が生み出されます。労働者世代の人口が増えると、その地域の消費が急激に増加し、また貯蓄や今後の投資へのキャパシティも増加するでしょう。

そしてまだ何の保証はありませんが、該当地域の人口ボーナスについては時間の限界があります。2025年までにASEANのほとんどの国で高齢かが始まります。政府と立法機関は人口ボーナスの実現化を確証するための法整備が求められます。

若者は教育や将来就く仕事のためにどんな準備をするのが一番良いのかについてよく考えるものです。環境・年金・ヘルスケアのような世代間流動性不安のある国を認識しなければなりません。現在の成長は未来の世代の頑張りから得ることはできません。政府は持続可能な財政・環境のためにどのような長期計画を考えるべきでしょうか。

今回のサミットのテーマの3つ目は技術です。ASEANは1967年に設立され、その頃というのはインターネットが作られるわずか2年前のことです。ASEANの登場はまさに完全に第3産業革命を彷彿させるもので、コンピュータや通信によって運営されてきました。

ASEANは50周年をめでたく迎えます。今日では、世界は第4産業革命の移行期に立っており、人工知能・機械学習・自動運転車・ユビキタスモバイルインターネット・遺伝学の急速な発展・物質科学・超安価オートメーションのような技術が利用される時代です。

ASEANがさらなる50年を目指すのであれば、テクノロジーの変化やデジタルディスラプションの急速なペースにどのように対応するかの難題に取り組まなければなりません。一方で、第4産業革命は財政算入・行き届いたヘルスケア・新しい教育方針・新たな企業やサービス部門の仕事により、莫大な利益をもたらすことができるでしょう。

現在のASEANは、世界インターネット市場を最速で成長させています。Google社とTemasek社の試算レポートによると、該当地域のオンライン利用者人口は毎日124,000人ずつ新しいユーザーが増えています。そしてこのペースで向こう5年は推移し続けるでしょう。

しかしながら、技術にも困難なことが多くあります。ロボットがさらに安価になったとき、製造業は仕事を生み出すことができるのでしょうか。IT技術のスキルをどのように享受し、活発な革新エコシステムを生み出すでしょうか。第4産業革命が繁栄する中、政府はどうすれば受入可能な環境や地域デジタル経済の結びつきを築き上げることができるでしょうか。

とにかく重要なことは物事の透明性です。デジタル技術が汚職や不正を暴く助けとなりますが、それによって社会的フラストレーションや崩壊を招くことが考えられます。しかし、これらの技術はまた悪い慣行をなくすことへの可能性も持ち合わせています。

企業・政府・教育機関・市民社会から輩出された750名以上のリーダーとともに、カンボジアで開催されるフォーラムのサミットはこれらの大きな問題の討議だけでなく、解決策のブレーンストーミングやアクションを起こす引き金となるきっかけの場になることでしょう。

タイ国内の教育改正の進め方に関する議論として、然るべき専門家や学校経営者を伴わない状況の中進んでしまっているタイはグローバル化によって教育分野が大きな変遷をしてきていることを指摘されることが多くあります。

サイロ・アプローチにより、過去に実現不可能な教育改正への取り組みが行われてきました。様々な教育分野やレベルに分類分けすることに集中しすぎて、外的影響力に触発されてきたため教育構想についての広い視野をもって考えることができていませんでした。教育省の政治的圧力により改正の大混乱に巻き込まれ、世界レベルの教育制度では何を行っているのかを見過ごしてきました。

教育委員会(Opec)によりますと、2016年6月時点でタイには166校のインターナショナルスクールがあります。中にはアメリカのアイビー・リーグやイギリスのラッセル・グループ、またヨーロッパ・オーストラリア・日本・中国の一流大学へ進学する"the best and brightest"(最良の、最も聡明な)学生を輩出する学校もあります。

タイにはトリアムウドムスックサー高等学校やトップ大学の付属学校のように最高レベルの学校がある一方、グローバル教育の新しい考えに対して断固として抵抗し、遮断するような最低レベルの三流学校もあります。

このことは多くの教育調査の結果にも反映されています。グローバルで地域的な、学習到達度調査(Pisa)で、タイは2016年にアジアでは最下位に近い順位でした。2015年、70か国を対象に調査した英語能力指数では、シンガポール12位、マレーシア14位、ベトナム29位、インドネシア32位に対しタイは62位でした。69位のカンボジアにも僅か7ポイント差しか上回っていないという散々な結果となりました。

ケンブリッジ大学の指導の下、2006年に行われた400名の英語教師の調査結果から懸念事項が明らかになりました。「60%以上の教師が不十分な英語知識と指導力しかなく、残りの40%は知識と指導技術は合格しているものの流暢な英語を使えるのはその中の3%しかいません。」そして、「中には英語の知識がほとんどなかったり全くないのに英語を教えるよう強いられてたりという教師もいました。」

英語以外ですと、数学と科学については、状況はよくなるどころか、むしろ現在は悪くなる一方です。

タイにおける中等教育校のレベルの二極化に伴い、国内の教育システムに存在するこのギャップに対してどう取り組むかが大きな課題です。大多数のタイの公立校は、より優秀な国内の学生を獲得するために時に法外な「お茶代(賄賂)」を前払いする状況がある一方で、裕福な外国人の親は、その子供を一流のインテーナショナルスクールへ通わせることを好みます。

自発的、分析的、自立的考えや問題解決を学生に指導する教育の権利を我々が持っていないことは問題ではありません。我々はインターナショナルスクールですから、素晴らしいカリキュラムと教師陣とともに、世界最高の高等教育学校として、生徒が自分自身を唯一の存在として、賞賛され、認められる存在であると証明してきました。学生たちは、将来のために、早いペースで変化する世界に対応するための「21世紀のスキル」を学んでいます。

しかし興味深いことに、成功した学校の良い習慣を授業に取り入れる取り組みを行う二流レベルの学校はありませんでした。所謂、「インターナショナルスクール」全てが一流というわけではありませんが、その多くは寛容で競争力があります。中等高等教育に関して、意見交換や教師の育成のための教育の場が必要とされていることは明確です。

タイ国内の中等高等教育の質は過去20年間の教育改正取り組みで改善できるものではないことがわかります。年度予算の5分の1は必ず教育省に配分され、トップや「制度の安定性」が頻繁に変更したり覆されたりという事実があります。世界経済フォーラムで認識されたように海外からの参入・恩恵への教育制度策定に対する特有の無関心な姿勢がもたらしたのは、教育改正アジェンダの悲惨な失敗でした。

タイでは、インターナショナルスクールが総じてタイの法律を取り入れていない事実があります。しかし、公共事業によるインフラや公共施設についてはインターナショナルスクール以外の公立校に優位性があります。その取り組みを乏しい設備の公立校にももたらすよう促すプロボノ戦略があって当然です。

ビジネスの中心地バンコクで成功した人々を伴って、現在郊外に学校が設立されています。これは首都と地方両方ともに中等高等学校の質を向上する良い機会です。

世界的にみた傾向としては、より多くの英語を公用語とするインターナショナルスクールがほとんどの国で設立されています。ガーディアン紙のニック・モリソン氏によりますと、特に東南アジアと東アジアで「子どもが世界のあらゆる場所で暮らし、仕事をするための教養を身に着けるために、大勢の親が英語で授業をする教育環境を探し求めています。また同様に、いくつかの国のシステムで好まれるものとして、講義型に代わる学びの方法として質問型アプローチがあります。」

<参考サイト紹介>
ニック・モリソン氏(ガーディアン紙)
https://www.theguardian.com/profile/nick-morrison

タイも同じで、子どもに高い質の教育を受けさせたい中流家庭の希望を実現するために、早い速度でインターナショナルスクールを増設するでしょう。

世界のトレンドとして求められる「質問型アプローチ」と国内教育の「講義型スタイル」の間で行う、共同作業や意見交換はいつ実現するのでしょうか。

利用可能な資源、従来の価値を認められない、利用できない状態から開発することはそれ自体が革新です。Isatとタイ公立学校間の教育者や教育管理についての会議が設けられるべきです。共同作業や意見交換の分野は膨大で、学校・カリキュラムの発展・モジュール準備・授業計画・個別カウンセリング・個別指導があります。またそこには科学・テクノロジー・エンジニアリング・数学についての教育や英語指導を必須にすることも含んでいます。

タイの4.0経済モデル達成の道筋はまだ見通しが立たない状況ですが、自尊心・不安感の結果、もしも我々の教育システムがありふれていて無力な状態では、全ての学校は無価値の状態になるでしょう。我が校専属の教育専門家は、莫大な国家予算や我々の教育改正アジェンダへの協力者数に対してまだ満足した結果を生み出せておらず、過去2年間うんざりしています。

タイ周辺国の40万人以上の教育専門家と教師は尽力を注ぎたいと考えていますが、そのためには教育制度改正を進めるための明確で安定した政策が必要とも考えています。

ことわざにもあるように、「一事成れば万事成る」です。我々の教育のプロたちが「思慮深く謙虚な態度」で打ち解けて話をしたり、国内の教育改正アジェンダのために成功の秘訣を快く共有する人々の話を受け入れるよう促すことは本当に難しいことです。

 

東京に本社がある就職支援会社がインドネシア・タイ・ベトナムの東南アジア諸国の学生と日本企業の経営者をオンラインサービスで引き合わせる事業を展開しています。

ブルネイ・カンボジア・ラオス・マレーシア・ミャンマー・フィリピン・シンガポールを含む東南アジア諸国連合の2,500名もの学生が、NODE株式会社によって2014年から運営されているAsean Careerウェブサービスに登録しています。

28歳の同社の代表取締役社長 渡邉健太氏はこう述べました。「ASEAN経済はダイナミックに推移しており、諸国では(日本における)外国人留学生などの可能性があります。」

会社の設立時、渡邉社長は、東南アジアの人々を積極的に雇用したい企業はあるものの、東南アジアにいる求職者が仕事を探す代表的な手段が何もないと発言していました。

同社のウェブサイトでは日本国内外からの学生・または既卒者を対象に無料登録が可能です。

社員を募集する企業はオンラインで求人募集を募り、Eメールで求職者と連絡を取った後、面接に進むこととなります。
同サイトに挙げられる業種は様々で、精密機械業・工業材料業からツアーリズム・流通業に渡って展開されています。NODE社によると、150社がこのサービスを利用しているとのことです。

「我々は現時点で約50名の就職者を輩出しました。」と渡邉社長。「2017年は100名の採用を目指しています。」

同社曰く、学生・企業双方から前向きなフィードバックを受けているようです。

日本で留学しているある学生は、勉強や研究のため、従来の就職活動時期には企業を訪れることができませんでしたが、NODEによって求人募集を見つけることができて嬉しいと話していました。希望する人材が見つけやすいと言う企業もあります。

NODE社は、東京で、日本企業とASEAN地域の求職者のためのジョブフェアーを5回開催し、毎回約10社が参加しています。同社調べによると、累計1,500名の日本にいるASEAN諸国の留学生が参加しています、

「事業数の増加により、海外市場への拡大の好機を狙う動きが出ています。」と渡邉社長。「我々は現地の中小企業に向けて求職者情報を共有したいと考えています。」