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タイ国内の教育改正の進め方に関する議論として、然るべき専門家や学校経営者を伴わない状況の中進んでしまっているタイはグローバル化によって教育分野が大きな変遷をしてきていることを指摘されることが多くあります。

サイロ・アプローチにより、過去に実現不可能な教育改正への取り組みが行われてきました。様々な教育分野やレベルに分類分けすることに集中しすぎて、外的影響力に触発されてきたため教育構想についての広い視野をもって考えることができていませんでした。教育省の政治的圧力により改正の大混乱に巻き込まれ、世界レベルの教育制度では何を行っているのかを見過ごしてきました。

教育委員会(Opec)によりますと、2016年6月時点でタイには166校のインターナショナルスクールがあります。中にはアメリカのアイビー・リーグやイギリスのラッセル・グループ、またヨーロッパ・オーストラリア・日本・中国の一流大学へ進学する"the best and brightest"(最良の、最も聡明な)学生を輩出する学校もあります。

タイにはトリアムウドムスックサー高等学校やトップ大学の付属学校のように最高レベルの学校がある一方、グローバル教育の新しい考えに対して断固として抵抗し、遮断するような最低レベルの三流学校もあります。

このことは多くの教育調査の結果にも反映されています。グローバルで地域的な、学習到達度調査(Pisa)で、タイは2016年にアジアでは最下位に近い順位でした。2015年、70か国を対象に調査した英語能力指数では、シンガポール12位、マレーシア14位、ベトナム29位、インドネシア32位に対しタイは62位でした。69位のカンボジアにも僅か7ポイント差しか上回っていないという散々な結果となりました。

ケンブリッジ大学の指導の下、2006年に行われた400名の英語教師の調査結果から懸念事項が明らかになりました。「60%以上の教師が不十分な英語知識と指導力しかなく、残りの40%は知識と指導技術は合格しているものの流暢な英語を使えるのはその中の3%しかいません。」そして、「中には英語の知識がほとんどなかったり全くないのに英語を教えるよう強いられてたりという教師もいました。」

英語以外ですと、数学と科学については、状況はよくなるどころか、むしろ現在は悪くなる一方です。

タイにおける中等教育校のレベルの二極化に伴い、国内の教育システムに存在するこのギャップに対してどう取り組むかが大きな課題です。大多数のタイの公立校は、より優秀な国内の学生を獲得するために時に法外な「お茶代(賄賂)」を前払いする状況がある一方で、裕福な外国人の親は、その子供を一流のインテーナショナルスクールへ通わせることを好みます。

自発的、分析的、自立的考えや問題解決を学生に指導する教育の権利を我々が持っていないことは問題ではありません。我々はインターナショナルスクールですから、素晴らしいカリキュラムと教師陣とともに、世界最高の高等教育学校として、生徒が自分自身を唯一の存在として、賞賛され、認められる存在であると証明してきました。学生たちは、将来のために、早いペースで変化する世界に対応するための「21世紀のスキル」を学んでいます。

しかし興味深いことに、成功した学校の良い習慣を授業に取り入れる取り組みを行う二流レベルの学校はありませんでした。所謂、「インターナショナルスクール」全てが一流というわけではありませんが、その多くは寛容で競争力があります。中等高等教育に関して、意見交換や教師の育成のための教育の場が必要とされていることは明確です。

タイ国内の中等高等教育の質は過去20年間の教育改正取り組みで改善できるものではないことがわかります。年度予算の5分の1は必ず教育省に配分され、トップや「制度の安定性」が頻繁に変更したり覆されたりという事実があります。世界経済フォーラムで認識されたように海外からの参入・恩恵への教育制度策定に対する特有の無関心な姿勢がもたらしたのは、教育改正アジェンダの悲惨な失敗でした。

タイでは、インターナショナルスクールが総じてタイの法律を取り入れていない事実があります。しかし、公共事業によるインフラや公共施設についてはインターナショナルスクール以外の公立校に優位性があります。その取り組みを乏しい設備の公立校にももたらすよう促すプロボノ戦略があって当然です。

ビジネスの中心地バンコクで成功した人々を伴って、現在郊外に学校が設立されています。これは首都と地方両方ともに中等高等学校の質を向上する良い機会です。

世界的にみた傾向としては、より多くの英語を公用語とするインターナショナルスクールがほとんどの国で設立されています。ガーディアン紙のニック・モリソン氏によりますと、特に東南アジアと東アジアで「子どもが世界のあらゆる場所で暮らし、仕事をするための教養を身に着けるために、大勢の親が英語で授業をする教育環境を探し求めています。また同様に、いくつかの国のシステムで好まれるものとして、講義型に代わる学びの方法として質問型アプローチがあります。」

<参考サイト紹介>
ニック・モリソン氏(ガーディアン紙)
https://www.theguardian.com/profile/nick-morrison

タイも同じで、子どもに高い質の教育を受けさせたい中流家庭の希望を実現するために、早い速度でインターナショナルスクールを増設するでしょう。

世界のトレンドとして求められる「質問型アプローチ」と国内教育の「講義型スタイル」の間で行う、共同作業や意見交換はいつ実現するのでしょうか。

利用可能な資源、従来の価値を認められない、利用できない状態から開発することはそれ自体が革新です。Isatとタイ公立学校間の教育者や教育管理についての会議が設けられるべきです。共同作業や意見交換の分野は膨大で、学校・カリキュラムの発展・モジュール準備・授業計画・個別カウンセリング・個別指導があります。またそこには科学・テクノロジー・エンジニアリング・数学についての教育や英語指導を必須にすることも含んでいます。

タイの4.0経済モデル達成の道筋はまだ見通しが立たない状況ですが、自尊心・不安感の結果、もしも我々の教育システムがありふれていて無力な状態では、全ての学校は無価値の状態になるでしょう。我が校専属の教育専門家は、莫大な国家予算や我々の教育改正アジェンダへの協力者数に対してまだ満足した結果を生み出せておらず、過去2年間うんざりしています。

タイ周辺国の40万人以上の教育専門家と教師は尽力を注ぎたいと考えていますが、そのためには教育制度改正を進めるための明確で安定した政策が必要とも考えています。

ことわざにもあるように、「一事成れば万事成る」です。我々の教育のプロたちが「思慮深く謙虚な態度」で打ち解けて話をしたり、国内の教育改正アジェンダのために成功の秘訣を快く共有する人々の話を受け入れるよう促すことは本当に難しいことです。