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未来経済委員会は今週、シンガポールが世界を一歩リードするためにできることについての報告書を提出する予定です。

生涯学習の習慣は勤務地の変更にともなう「混乱」の助けになるでしょう。

あなたがタクシーの運転手でUberの出現で自分の持ち場を失っていたら。
またはあなたが会社員で新しい同僚がロボットだったら。

これらの考え方はいわゆる科学技術の進歩による「混乱」がもたらす事例で、従来の就労環境を完全に変えることもあり、シンガポールの人々への影響や特に中年以上の年齢層にとって将来への危惧の要因となります。

経済の停滞やリストラの蔓延する中、最近の就労状況としては失業者数が、ここ7年は高い状態が続いています。しかし、シフト制の職業、困難な環境、他国への転勤を必要とする仕事は依然として需要があり、また外国人によってその埋め合わせをしなければならない状況です。

それは、未来経済委員会(CFE)が労働者市場を見て何が今後待ち受けるのかについて確かに理解していたという矛盾のある意見です。

当委員会で取り組まなければならない主な問題は、シンガポールにおける労働力の高齢化であると、人材相のリム・スイセイは指摘してきました。

「国内の低い出生率と高い労働力人口率が見受けられますが、15歳以上の比率は昨年68パーセント、つまりわずかな推移で国内の労働力はゆっくりと増えていることがわかります。」とリム相は昨年の議会で述べました。

高齢者を労働力として活用するために、当該省では今年の7月より雇用年齢を65歳から67歳へ引き上げる予定です。
企業もまたオートメーション化により、彼らの生産性を向上するような対策をしています。しかし、機械化によって雇用が減る恐れもあります。工場・オフィス業務やスキルをあまり必要としない業務・会計サービスなどが機械化を可能にします。

教育相(高等教育・技術担当)オン・イクエン氏はCFEの未来の仕事・技術についての小委員会共同議長でもありますが、昨年のフォーラムでこのように述べました。たくさんの企業の本社をシンガポールに置く「コントロールタワー」経済から、プランを寄せ集めて製品とサービスを世界中へ送り出す「ランウェイ」経済へ移行しなければなりません。

「もはや物事をコントロールしたり、モニタリングしたり、管理するだけの役割はありません。実際に何か物事を始める技術が必要です。実用的で応用の利く技術です。」と同氏は述べました。

労働者がこの仕事の本質の変化にうまくついていけるために、SkillsFuture運動が2年前より始動し、生涯学習訓練の運営を始めました。この取り組みは仕事人生を通して産業界で実際に生かせる機械技術のスキルや一般的なスキルを継続して取り上げて訓練することです。

この取り組みは人々が職探しを始める前にするべきことです。多くの訓練はキャリアガイダンスやインターシップで提供され、また確実に産業界のニーズとなる内容が教育カリキュラムに反映されています。そのため、若者が求人募集のある仕事に対してより敏感になり、その仕事に必要な基礎知識を身に着けています。

このことはまた先月公表された報告書の中で、金融・貿易・産業のための政府国会委員会(GPC)からも前向きな意見がなされました。GPCはまた訓練の提供者の質を確かめる基準として教育の成果を追跡できる国家記録を提案しました。

23業界の産業変遷図解が出版される予定で、業界特有のスキルを掲載してあります。また、専門家の座談会プログラムにより、50件以上の仕事での新たな役割についてのレクチャーを行います。

GPC議長のパトリック・テイ氏は、CFEの報告書が政府・労働組合・経営者が業界変遷図解がとことん追求されるよう確実なプランとして共に取り組む方法を盛り込むよう期待していると述べました。

同氏は「デジタル化や混乱に対して可能な・迅速で・受け入れ可能な状態を保つため、それらをより理解し、その価値を認める」国家プログラムを提案しています。

「これは昔でいう労働者の基本的計算能力と読み書き算のスキルを向上する為の最高で聡明なプログラムと似た主旨の取り組みです。」テイ氏はそう述べました。また同氏は、シンガポール全国労働組合会議の新しい組織である未来の仕事・スキル・訓練を率いています。

再教育について言いますと、労働者が6か月後に全面的に新しいスキルを身に着け、仕事に就く準備ができる状態までになるためには並大抵の努力では成せません。

SIM大学(UniSIM)の労働者エコノミストであるウォルター・ティセイラ氏は雇用機会はこれまでの経験に関連したキャリアの中にもっと見出すことができ、それにより、そのスキルは転用可能であるとしています。

 シンガポールマネージメント大学でHuman Capital Leadership Institute社の幹部であるウォン・スーエン氏曰く、「仕事を増やしたり、新たな職場での経験を積むための勉強をする人々を受け入れる為、従来の仕事に対する準備は変わるはず」とのことです。

 「我々は人々が次に向けて準備を進めると同時に働いていることを認識する必要があります。」と同氏は言いました。

未来のチャンス

経済成長が低迷している中、シンガポールは依然として未来の経済のために事業を生み出しています。

昨年の国内投資は総額940億ドルで、今では20,100件の新規事業が見込まれていると、シガポール経済開発庁は先週発言しました。

成長事業とはIT・遠距離通信・ヘルスケア・航空機産業を含みます。チャンギ空港のターミナル4及び5、また新たなMRT沿線の工事により、国内の工学技術やプロジェクト管理は需要のあるスキルとなるでしょう。

先進の製造業というのは、向こう8年以上、データ科学者・ロボット操作官などの22,000件以上の新事業を作り出すと期待されています。

そしてまた、ソフトウェア開発・コンピューターエンジニア・システムデザイナー・アナリストのような職業について、15,000件もの情報通信技術関連の求人があります。一方で、3,000件の精密工学の事業が2020年までに始まると予想されています。

リクルート会社であるKelly Services Singapore社のマネージングディレクター/カントリーヘッドであるフー・シー・ヤン氏は、同社の契約労働者やフリーランサーにより、予想のつかない経済の見通しの中、柔軟に企業の要望を活かすことができるとしています。

「異なる業界や職業上の枠を越えた範囲で業務を行う労働者は、技術的なバックグラウンドによってこれらの状況に対応するものです。」と同氏。

リー・シェンロン首相もまたナショナルデーの集会でのスピーチでこう述べました。昨年、CFEは革新的なアイデアで事業を開始する企業家をサポートする構造について取り組んでいました。

UniSIMのティセイラ博士は企業家精神は経済発展のためにはとても重要な要素でありつづけるでしょうが、その事業が成長するために、「我々は世界レベルで競争力のある大規模なビジネスを築ける起業家が必要となります。」と述べました。多くの起業家は巨大なASEANマーケットにおけるシンガポールの存在を活かせていません。同氏は締めくくりました。